「ギフト」の実験



私たちは、日々、生きるためのお金を稼ぐために一生懸命働いています。

働いても働いても・・・と感じている人は少なくないのではないでしょうか?

くらしは、どんどん便利になっていく一方で、そのための必要となるお金が増え、そのお金を得るためにどんどん働くという構図が当たり前のようになっています。

当たり前すぎて、疑問も持ちにくい状況です。

お金の存在がどんどんと大きくなっていきます。

くらしの中でいろんなものが商品化、サービス化され、経済活動化される中で、お金を持っているお客さんが神様化してしまっている動きもあったりします。もともと経済活動にも「出せるもの(与えることができるもの)」「できること」を交換しあうといった感覚があったように思いますし、それがお互いの人間関係をベースにしたり、さらなる親密度を深めていったりする機会にもなっていたように思います。もっと言えば、交換を絶対条件としない「ギフト」の感覚があったかもしれません。こうした感覚を失ってしまったことが、お金のやりとりにおける窮屈さになり、ゆたかさを失っているようにも感じます。

人間関係に甘えていくのではなく、人間関係があるからこそ生まれる与え合う感覚。

きっとビジネスはお金のやりとりだけではなくて、人間関係を創る、深める場でもあったはず。

 

大きな社会の流れ、常識に抗うにはTentofuはあまりにも小さくて無力です。

失っている「ゆたかさ」にこだわり続けるべきかもわかりません。

 

でも、もともと経済活動にもあったはずと思っている「ギフト」について実験していこうと思います。

 

  

「気まぐれ点灯主」 

お店の人なのかお客さんなのかわからない曖昧な領域について実験します。

町家Tentofuでは、「気まぐれ点灯主」を気まぐれで募集します。

「気まぐれ点灯主」になられた方には、一日、お客さんとしてでなく、Tentofuの店主のような立場で楽しい時間を過ごしていただければというものです。

Tentofuから決められた業務をこなしていただくというものでなく、自分がTentofuの店主ならこんなことをやってみたいといったことをご提案いただき(あるいは一緒に考えて)、実施いただき、お客さんとの交流などを好き勝手にTentofuの店主気分でお楽しみいただくというものです。

「気まぐれ点灯主」は店主という位置づけなので、一日、無料で町家Tentofuでお過ごしいただけます。

そこにお互いができることの「ギフト」が生まれるのかの実験です。

そんな中で、町家Tentofuがいろんな人たちの関わりで絶えず創り続けられる場になっていけばと思っています。

「気まぐれ点灯主」は、これまでに町家Tentofuをご利用いただいたことのある方で、かつFacebookグループの「町家Tentofuの広場」にご参加いただいている方に限らせていただきます。「気まぐれ点灯主」の募集は、「町家Tentofuの広場」のみでお知らせさせていただきます。

 

 「ぶらサゴ(高砂のまちがひとつのカフェのように楽しんでいただく試み)」

町家Tentofuでは、お客さんに、高砂町全体がひとつのカフェのように感じて楽しんでいただくために「ぶらサゴ」の試みを行っています。

町家Tentofuのたきび文庫での滞在利用途中に、ご近所のカフェ等へランチやお茶にちょっとお出かけ。

あるいは、ご近所カフェで飲食等の後、町家Tentofuでゆっくり。.

高砂ならではの優雅なひとときをお過ごしていただければと思います。

お客さんに喜んでいただきつつ、お客さんとご近所カフェとの出会い、ご近所カフェとTentofuのつながりが進む中でお店同士の「ギフト」が生まれていくのかを実験していきます。

詳しくは、こちらをご覧ください。

 

「まちの古本屋通り」

Tentofuの玄関スペースに「まちの古本屋通り」のコーナーを設置します。

まちにある魅力的な古本屋さんに、Tentofuの一角に出店をしていただきます。

委託販売や賃貸といった考えによるものではなく、お互いの関係性の中でスペースが活用されればとはじめています。

どんな「ギフト」が生まれるのか実験です。

 

「つながる文庫」

日常をゆたかにする本とは?

いろんな人たちがそれを考え、紹介しあうことで、本を通じて人と人がつながる仕組みを創っていきたいと考えています。

 一言でゆたかさといってもそれぞれです。広がりや気づきがお互いの「ギフト」となってゆたかさとなればと思っています。